Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 865 caractères · 432 écrans
その三島の寮が向島の奥にあって、そこに何かの秘密がひそんでいるとすれば、猶更うっちゃって置くことは出来ない。半七は一旦自分の家へ帰って、子分の松吉を呼んだ。
「おい、ひょろ松。おめえ御苦労でも霊岸島へ行って、三島の様子をちょっと調べて来てくれ。あすこの家に年頃の娘はねえか」
「あすこの娘なら知っています。おきわと云って近所でも評判の小町娘で、もう十九か二十歳になるでしょう」
「その娘はどうした。家にいるか」
「それがなんでも三年まえの今時分でしたろう。店の若い者と駈け落ちをしてしまって、今にゆくえが知れねえそうです」と、松吉は云った。
「駈け落ちの相手はなんという野郎だ」
「そりゃあ知りません」
「そいつを調べてくれ。そればかりでなく、三島の家の様子も調べて来るんだぜ。そのおきわという娘に弟妹があるかどうか。それをよく洗って来てくれ。いいか」
「ようがす」
松吉はすぐに出て行った。なにぶんにも頭が重いので、半七は湯にはいって風邪薬を飲んで、日の暮れないうちから衾を引っかぶって汗を取っていると、夜の五ツ(午後八時)頃に松吉が帰って来た。
「親分、ひと通りは調べて来ました。