Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 865 caractères · 432 écrans
そこで相談の上あらためて家捜しをすることになって、念のために床下までもあらためると、台所の揚板の下には炭俵が二、三俵押し込んである。その一つのあき俵のなかに首を突っ込んで、善昌がうつむきに倒れているのを発見したときは、大勢は思わず驚きの声をあげた。善昌は手足をあら縄で厳重に縛られていた。
それだけでも諸人をおどろかすに十分であるのに、更に人々をおどろかしたのは、二、三人がそのからだを抱き起そうとすると、あき俵をかぶせられている善昌には首がなかった。かれは首を斬り落されているのであった。今度は誰も声を出す者がない、いずれも唖のように眼を見あわせているばかりであった。
「善昌さんの首がない」
その噂が隣り町まで伝わって、他の信者たちもおどろいて駈けつけた。見物の弥次馬も続々あつまって来た。狭い露路のなかは人を以って埋められた。おくれ馳せに来た者は往来にあふれ出して、唯いたずらにがやがやと罵りさわいでいるのであった。
善昌の死――その仔細は誰にも容易に想像された。この十五日間、厄よけの祈祷をおこなって、護摩料や祈祷料や賽銭が多分にあつまっているので、それを知っている何者かが忍び込んで彼女を殺害したのであろう。