Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans
その役目は弟の佐吉が勤めたんですが、都合のいいことには玉太郎はお福によく懐いていて、乳母の云うことは何でも肯くので、素直に佐吉に連れられて行ったんです。
しかし根岸の家に隠して置くのは剣呑で、菊園の追っ手に探し出される虞れがあるので、すぐに玉太郎を白雲堂へ連れ込みました。当分はその二階に預けて置く約束になっていたからです。佐吉はその役目を無事に勤めおおせて、夜ふけにそっと姉のところへ知らせに行くと、菊園の番頭がわたくしの家へ探索を頼みに出たという話を聞かされて、なんだか不安心にもなったので、あとから様子を窺いに来たんです。佐吉も小利口ではあるが、年も若いし、これも悪い人間じゃあないんですから、岡っ引なぞに探索されては気味が悪い。あくる朝の早天に白雲堂へ駈け込んで、どうしたらよかろうと相談すると、幸斎の奴が又もや知恵を授けて、かの『武士の誓言』の手紙をかいて渡したのが仕損じで、さもなければ橙の龍の字もわたくしの眼には付かなかったんですが……」
玉太郎誘拐の筋道はこれで判ったが、それから先の事情はいっさい不明である。それに就いて老人は更に説明した。
「魚八の一家はみんな悪い人間じゃあないが、白雲堂の売卜者はよくない奴です。