Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans

Aozora Bunko

「八年ほど前に一度、江戸へ出て来たことがありまして、今度が二度目でございます。そんなわけで、江戸には碌々に知りびともない位でございますから、恨みを受けるなぞという事がある筈がございません」

「そこで、お前さんはどう思うね」と、半七は探るように訊いた。

「それですから、何が何だか一向に見当が付きません」と、茂兵衛は眉をよせた。

「じゃあ、その金右衛門に逢わせて貰おう」

店の次に茶の間があって、そこから縁側伝いで六畳の奥座敷へ通うようになっている。そこへ案内されて、半七は怪我人の枕もとに坐った。

金右衛門は見るからに頑丈そうな男で、傷が案外に浅かった為でもあろう、顔の色は蒼ざめているが、気は確かであった。彼も茂兵衛と同様、江戸には殆ど知りびともない位であるから、恨みをうける覚えなどは更に無いと答えた。枕もとに控えている為吉兄妹もおなじ返事であった。殊に為吉らは生まれて初めて江戸へ出たと云うのであるから、何が何やら殆ど夢中で、この不意の出来事についてはただ茫然としているばかりであった。

ここで詮議しても埓が明かないと見て、半七はいい加減に切り上げて店を出ると、表に待っていた庄太が小声で訊いた。