Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans
「どうも悪いことが続いて、お気の毒だね」と、半七は店さきに腰をおろした。「そこで清吉。今夜は御用で来たのだから、そのつもりで返事をしてくれ」
清吉は形をあらためて、無言でうなずいた。
「早速だが、おめえに訊きてえことがある。姪のお信は先月の一件以来、小ひと月のあいだ何処に忍んでいたのだね」
「存じません」と、清吉ははっきりと答えた。「実は何処から出て来たのかと、わたくしも不思議に思っている位でございます。小ひと月も便りがありませんので、死骸は遠い沖へ流されてしまって、もう此の世にはいないものと諦めて居りましたのに、それが不意に出て来まして、しかもここの河岸であんな事を仕出来しまして……。なんだか夢のようでございます」
「まったく悪い夢だ。実はおれも可怪しな夢を見たよ」と、半七は笑った。
「へえ」
「その夢を話して聞かそうか」
「へえ」
なにを云うのかと、清吉は相手の顔をながめていると、半七はやはり笑いながら話しつづけた。
「なにしろ夢の話だから、辻褄は合わねえかも知れねえ。まあ、聴いてくれ。ここに大きい屋敷があって、本妻の奥さまとお部屋のお妾がある。奥さまも良い人で、お妾も良い人だ。