Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans
そこの女中のお由という若い女が二、三日前に死にました」
「それもコロリか」と、半七は訊いた。
「いや、コロリじゃあねえ、まあ、頓死のようなわけで……。関口屋でもすぐに医者を呼んだが、もう間に合わなかったそうです。その死に方がなんだか可怪しいというのですが、関口屋じゃあ店の者や女中に口留めをして、なんにも云わせねえ。それだけに猶更いろいろの噂が立つわけです。世間でかれこれ云うばかりでなく、お由の親許でも不承知で、娘の死骸を素直に引き取らない。コロリの流行る時節に、死骸をいつまでも転がして置くわけには行かねえので、名主や五人組が仲へはいって、ともかく死骸だけは引き取らせることにしたが、その後始末が付かねえで、いまだにごたごたしているそうですよ」
「お由という女の親許では、なぜ不承知をいうのだ。死骸に何か怪しいことでもあるのか」
「どうもそうらしい。それが又、変な話で……。近所の噂じゃあ、氷川の明神山のかむろ蛇に祟られたのだそうで……。そんな事が本当にありますかね」
「氷川のかむろ蛇……」と、半七も考えた。「昔からそんな話を聞いてはいるが、噂か本当か請け合われねえ。