Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans

Aozora Bunko

なんと云っても芝居の子役ですから、こういう役には都合がよかったでしょう。殊にお袖親子が参詣の時には、一味徒党のお由も一緒に付いて行ったのですから、怪談がかりの芝居をうまく運んだと見えます。その芝居が図にあたって、娘は気病になる。おふくろも半病人になる。おまけに長屋の大工がコロリで死ぬ。そこを狙って、いよいよお袖を殺す段取りになる。その蛇は大吉が捕って来て、お由に渡しました。今とちがって、その頃の小石川あたりには蛇や蝮は幾らでも棲んでいましたから、近所の藪からでも捕って来たんでしょう。それを小さい箱に入れて、それをお由に渡したんです」

「蝮ですか」

「蝮です。お由は夜なかにそれを持ち出して、お袖の蚊帳の中に放そうとしたんですが、やっぱり悪いことは出来ないもので、その蝮をとり出すときに誤って自分が咬まれてしまって……。どこを咬まれたのか知りませんが、忽ちに毒がまわって死んだという訳です。人を呪わば穴二つとか云うのは、まったくこの事でしょう。思いもよらない仕損じに、大吉も次右衛門もびっくりしたが、今更どうにもならない。そこで今度は法を変えて、怪しい死に方をした娘の死骸は引き取れないと、親の次右衛門から因縁をつけて、とうとう関口屋から六百両をまき上げました」