Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans

Aozora Bunko

を、伝蔵は突き放して一目散に逃げてしまったそうです」

「成程、主殺しでもするだけに、思い切ってずうずうしい奴だな」と、半七も呆れたように云った。「馬鹿か、図太いのか、なにしろそんな奴じゃあ、何処へのそのそ這い出して来るかも知れぬえ。江戸にいると決まったら、尚さら気をつけてくれ」

それから十日ほどの後に、善八がこんなことを聞き出して来た。

「麹町四丁目の太田屋という酒屋は、福田の屋敷へ長年の出入りだったそうです。その女房が娘と小僧を連れて、王子稲荷の初午へ参詣に行くと、王子道のさびしい所で、伝蔵に出逢ったそうです。これも同じような文句をならべて、お尋ね者で喰うに困るから幾らか恵んでくれと云う。こっちは女子供だから、怖いのが先に立って、巾着銭をはたいて二朱と幾らかを捲き上げられたそうですよ。いよいよ図太い奴ですね」

主殺しのお尋ね者が世間を憚らず、この江戸市中を徘徊して昔馴染をゆすって廻るなどは、重々不埓な奴であると半七は思った。

「そんな奴をのさばらせて置くと、上の威光にかかわるばかりか、おれ達の顔にもかかわる。本気になって早く狩り出してしまえ」

それから又四、五日の後に、亀吉から新しい報告があった。