Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans
おさんは喜んで出て来ると、途中で往来のないのを窺って、銀八は不意に匕首をおさんに突き付けて、これからお種に逢っても、おれの許すまで決して口を利いてはならないと嚇かして連れて行きました。そうして、湯屋の近所に待っていて、お種の出て来るのをそっと呼びました。
おさんの姿をみて、お種はおどろいて駈け寄ると、銀八がここでは話が出来ないから、ちょいと其処まで来てくれと云う。つまりはおさんを囮にして、お種を誘い出したのです。おさんは嚇かされているので、迂濶に口を利くことが出来ない。お種はおさんに引かれて、うかうか付いて行く。なにしろ十六と十七の田舎娘ですから、こんな悪い奴に出逢っては赤児も同然、どうにも仕様がありません。こうして、おさんは化け物屋敷へ逆戻り、お種も一緒に生け捕られてしまいました」
「成程ひどい奴ですね」と、わたしも思わず溜め息をついた。
「ひどい奴ですよ。茂兵衛や銀八の肚では、こうして生け捕って置いて、二人の女を宿場女郎に売り飛ばす目算でしたが、金右衛門と為吉がいては何かの邪魔になる。殊に為吉は血気ざかりの若い者で、自分の女房と思っているおさんが行方不明になったので、気が気でない。