Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans
最初に発見されたのは、市川岩蔵の腕である。二度目の腕は誰か判らないが、それを斬ったのは市川照之助である。照之助は兄のかたき討ちに、相手の腕を斬ったらしい。そうして、同じ唐人の衣裳の袖につつんで、同じ場所へ捨てたらしい。二度目の腕の主は、庄太が外科医を調べて来れば、大抵は知れる筈である。
唯わからないのは、最初からここらに立ち廻っている疑問の唐人飴屋の正体である。もう一つは、坂東小三津のゆくえ不明である。師匠の小三と折り合いが悪くて、結局無断で飛びだしたのか。或いは別に仔細があるのか。常磐津の文字吉はいっさい無関係であるのか。雇い婆のお金は照之助兄弟の母である以上、この事件に無関係であるとは思われない。それらの秘密がはっきりしたあかつきでなければ、半七も迂濶に手を入れることが出来なかった。
「なにぶん場所が悪い」と、半七はつぶやいた。
町方の半七らに取っては、まったく場所が悪いのである。この事件の関係者は多く寺門前に住んでいる。現にこの芝居小屋も寺内にある。寺内は勿論、寺門前の町屋はすべて寺社方の支配に属しているのであるから、町奉行所付きの者が、むやみに手を入れると支配違いの面倒がおこる。