Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans

Aozora Bunko

一方の浪人は腰刀をぬいて飛びかかる。若党はいよいよ慌てて逃げかかる。そのうしろから右の肩先へ斬りつける。倒れるところを又斬るという騒ぎ。斬られた若党はその場で息が絶えてしまいました。

金右衛門の一行は丁度そこへ通り合わせて、自分たちの眼の前でこの活劇が突然に始まったのですから、きのう見物した中村座の芝居どころではない、四人は蒼くなって立ちすくんでいると、浪人は血刀を鞘に納めて四人を見かえりました。

「おまえ達には気の毒だが、ここへ来合わせたが時の不祥だ。この場の証人になってくれ」

忌も応も云われないので、四人はその侍のあとに付いて行くことになりました。柿を売っていた男、荒物屋の女房、これも一緒に連れて行かれました。元来が往来の少ない片側町、ほかの店の者はあわてて奥へ逃げ込んでしまったので、これだけの人間が係り合いになったわけです。以上六人を連れて浪人はその近所にある水野和泉守屋敷の辻番所へ出頭しました。

その浪人の申し立てによると、自分は中国なにがし藩の伊沢千右衛門という者で、父の兵太夫は御金蔵番を勤めていた。然るに或る夜、その金蔵を破って金箱をかかえ出した者がある。