Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 744 caractères · 434 écrans

Aozora Bunko

「実は……」と、半七は声を低めた。「大隊長の囲い者でございます」

大隊長箕輪主計之助は六百石の旗本である。それが代地河岸に妾宅を持っていようとは、根井も今まで知らなかったのである。箕輪も勿論、秘密にしていたに相違ない。それを半七にあばかれて、根井は他人事ながらも少しく極まりが悪そうに顔をしかめた。

「して、それがどうかしたのか」

「子分の幸次郎に調べさせましたら、お園の旦那は箕輪の殿様だということがわかりました。お園は二人組の押込みに髪を切られたのでございます。」

「髪を切られた……」と、根井はいよいよ顔を曇らせた。「箕輪氏の囲い者と知っての業かな」

「そうだろうと思います」

「その髪切りは歩兵の一件と何か係り合いがあるのだろうか」

それはこの場合、誰の胸にも浮かぶ疑問である。半七は更に声をひくめた。

「係り合いがあるように思われます。まさか大隊長の髪を切るわけにも行かないので、お妾さんの髪を切ったらしいのでございます。油断をしていると、この屯所の中でもまだまだ切られる者があるかも知れません」

根井もおおかた覚ったらしく、これも声を忍ばせた。

「では髪切りは……。