Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(六) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 831 caractères · 396 écrans

Aozora Bunko

大風雨、七月の二十五日にも風雨がありましたが、今度の風雨はいっそう強い方で、屋根をめくられたのも、塀を倒されたのもあり、近在には水の出た所もありました。

その風雨も十三日の夕方から止んで、十四日はからりとした快晴、陽気もめっきりと涼しくなりました。日が暮れると例の如く、高源寺には大勢の参詣人が詰めかけて、お線香を供えるのもあり、お賽銭をあげるのもあり、いずれも念仏合掌して、今か今かと待ち受けていましたが、どういうわけか、今夜に限って地蔵さまは身動きもしない。待てど暮らせど、いっこうに踊り出さないのです」

「不思議ですね」

「不思議です。みんなも不思議だと云いながら、四ツ(午後十時)頃までは待っていたのですが、地蔵さまは冷たい顔をしてびくとも身動きもしないので、とうとう根負けがしてぞろぞろと引き揚げました。八月十四日で、今夜はいい月でした。明くる晩は月見ですから、参詣人も少ない。それから、十六、十七、十八、十九の四日間、地蔵さまはちっとも踊らないので、みんな的がはずれました。

陽気も涼しくなって、コロリもおいおい下火になったので、地蔵さまも踊らなくなったのだと云い触らす者もありましたが、ともかくも地蔵さまはもう踊らないという噂が立ったので、参詣人もぱったりと絶えてしまいました。