Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 217 272 caractères · 434 écrans
そこで錺屋の増蔵をうまく手なずけて、例の蝋燭をなんとか処分しようとしているうちに、女房のやきもちから椿事出来して、只今お話し申したような手続きになったんです」
「宗兵衛はどうしました」
「宗兵衛は女房をなだめて、一緒に増蔵の家を出て、両国まで帰って来ると、お竹はかねて覚悟をしていたものか、仮橋の中ほどを過ぎた頃に、亭主の隙をみて不意に川のなかへ飛び込んでしまった。もちろん、蝋燭は自分がしっかりと抱えたままで飛び込んだのですから、宗兵衛も呆気に取られた。そのうちに橋番のおやじが出て来たので、あわてて東両国の方へ引っ返して、河岸伝いに吾妻橋へ出て、無事に田町の家へ逃げ帰ったんですが、さてどうも気にかかるので、その後も両国へ毎日通って、橋の上から大川を眺めているうちに、とうとうお竹の死骸が引き揚げられて、金の蝋燭の一件が露顕しそうになったので、もううかうかしてはいられないと思って、その晩すぐに支度をして、なんにも知らない女中のお由を置き去りにして、駈け落ちを極めてしまったんです。
わたくしが本所の錺屋へ出張ったのは七日の午過ぎで、宗兵衛はその前夜に飛んでしまったんですから、その間に一日の差があります。