Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 217 272 caractères · 434 écrans
平七は庄五郎と同職で、しかも従弟同士であるので、無論に昼夜詰め切りで働いた。
庄五郎は二十八歳を一期として世を去ったが、従弟の平七のほかに是ぞという親戚はなかった。お国も浅草にひとりの叔母をもっているだけで、その叔母が来て何かの世話を焼いていた。年も若し、子供も無し、殊に女には出来ない商売であるから、小僧の次八は平七の方にたのんで、お国は夫の三十五日の済むのを待って、世帯を畳んでひと先ず浅草の叔母の家へ引き取られるということになっていた。お国さんは容貌も好し、人間も馬鹿でないから、どこへでも立派に再縁が出来ると近所でも噂していた。
四月十日の小雨のふる宵であった。同町の往来で二人の男が喧嘩をはじめた。最初は番傘で叩き合っていたが、しまいには得物を投げすてて組打ちになった。まだ宵の口のことであるので、近所の者もそれを見つけて、二、三人がその仲裁にかけ出すと、その男は平七と藤次郎であった。
「おれは庄五郎の親類だ。死んだあとの世話をするのに不思議があるか」と、平七は云った。「てめえこそ他人のくせに余計な世話を焼くな」
「おれは他人でも、庄五郎とはふだんから兄弟同様にしていたんだから、そのあとの世話をしてやるのが義理人情というものだ。