Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 217 272 caractères · 434 écrans

Aozora Bunko

「わたしが何んでお前を……」と、新次郎はあわてて打ち消した。

「手をおろしたのはお前でなくっても、あの浪人とぐるになって、わたしを殺そうとした。そうだ、そうだ、それに相違ない。わたしを誤魔化して追い返そうとしても、わたしがどうしても動かないので、浪人が両手でわたしの咽喉を絞めようとした……。その時お前さんはわたしを助けようともしないで、平気で眺めていたじゃあないか」

「いや、助ける間がなかったのだ」

「いいえ、嘘だ、嘘だ」

「嘘じゃあない」

「さんざん人を欺して置いて、邪魔になったら殺そうとする……。おまえは鬼のような人だ」

「そうぞうしい。静かにしろ」と、徳次は二人を叱り付けた。「いつまでも噛み合っているにゃあ及ばねえ。おれの方にも眼があるから、白い黒いはちゃんと睨んでいるのだ」

六

大番屋へ送られて三人は更に役人の吟味を受けた後に、新次郎は重罪であるからすぐに伝馬町の牢屋へ送られた。お直は宿許へあずけられ、宇吉は主人方へ預けられた。これで一方の埒は明いたが、磯野小左衛門のゆくえは判らなかった。お節の生死も知れなかった。

徳次と半七は親分吉五郎の指図にしたがって、その後も油断なく探索に苦労していたが、どうしても小左衛門親子の影を追い捕えることが出来なかった。