Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(四)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(四) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 217 272 caractères · 434 écrans

Aozora Bunko

……滝亭鯉丈の作です。……第三篇に、能楽仲間の土場六、矢場七という二人が、自分らの友達を嚇かすために、ズウフラという機械を借りて来て、秋雨の降るさびしい晩に、遠方から友達の名を呼ぶので、雨戸を明けてみると誰もいない。戸を閉めて内へはいると、外から又呼ぶ。これは大かた狸の仕業であろうというので、臆病の連中は大騒ぎになるという筋が面白おかしく書いてあります。その『和合人』第三篇は、たしか天保十二年の作だと覚えていますから、これからお話をする人たちも『和合人』のズウフラを知っていて、それから思い付いた仕事か、それとも誰の考えも同じことで、自然に一致したのか、ともかくもズウフラがお話の種になるわけで、ズウフラ怪談とでも申しましょうか」

安政四年九月のことである。駒込富士前町の裏手、俗に富士裏というあたりから、鷹匠屋敷の附近にかけて、一種の怪しい噂が立った。

ここら一円はすべて百姓地で、田畑のあいだに農家が散在していた。植木屋の多いのもここの特色であった。そればかりでなく、ここらは寺の多いところで、お富士様を祀った真光寺を始めとして、例の駒込吉祥寺、目赤の不動、大観音の光源寺、そのほか大小の寺々が隣りから隣りへと続いていて、表通りの町々も大抵は寺門前であるから、怪談などを流行らせるにはお誂え向きと云ってよいのであっ