Classiques japonais avec furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lisez 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 67 333 caractères · 134 écrans
蜜蜂なんかそうじゃないね。女王蜂と雄蜂と働蜂とが一つの国をつくっていて、その中の働蜂が力を合わせて、あの大きな巣をつくるんだね。
ところが、こいつは名人かたぎとでもいうのか、自分一人で、気に入った壺をつくっているという変ったやつだよ」
「それじゃ、自分のからだの何倍もあるようなこの壺を、トックリバチは、いったいどうしてつくるのですか。セメントをどこから持ってくるのですか」
一太郎君は、この壺つくりの名人の秘密を、早く知りたくてたまらないのでした。
「その材料はよく乾いた土なんだよ。少しでもしめりがあってはいけない。人が歩いてふみかためた、白く乾いた道なんかの、かたい土がいいのだ。
トックリバチは、そのかたい土を、くちばしで削りとる。そしてその土の粉を自分の唾でまるめるのだ。この唾に土をかためる特別の性質があるんだよ。いわばセメントの素とでもいうようなはたらきをするのだね。このまるめた土を、脚でかかえて、巣をつくる場所へ飛んでくる。その第一回に運んだのが、まず壺の底になるんだね。
底をつくっておいて、又土をとりに飛んでいく、二度目に持って来たので、底の上の方を少しぬりかためる。