Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちえこのはんしょう
智恵子の半生
高村 光太郎
Lisez 智恵子の半生 (ちえこのはんしょう) de 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 697 caractères · 25 écrans
、其年二月ゼームス坂病院に入院、昭和十三年十月其処でしずかに瞑目したのである。
彼女の一生は実に単純であり、純粋に一私人的生活に終始し、いささかも社会的意義を有つ生活に触れなかった。わずかに「青鞜」に関係していた短い期間がその社会的接触のあった時と言えばいえる程度に過ぎなかった。社会的関心を持たなかったばかりでなく、生来社交的でなかった。「青鞜」に関係していた頃所謂新らしい女の一人として一部の人達の間に相当に顔を知られ、長沼智恵子という名がその仲間の口に時々上ったのも、実は当時のゴシップ好きの連中が尾鰭をつけていろいろ面白そうに喧伝したのが因であって、本人はむしろ無口な、非社交的な非論理的な、一途な性格で押し通していたらしかった。長沼さんとは話がしにくいというのが当時の女友達の本当の意見のようであった。私は其頃の彼女をあまり善く知らないのであるが、津田青楓氏が何かに書いていた中に、彼女が高い塗下駄をはいて着物の裾を長く引きずるようにして歩いていたのをよく見かけたというような事があったのを記憶する。そんな様子や口数の少いところから何となく人が彼女に好奇的な謎でも感じていたのではないかと思われる。