Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちえにうもれて

智慧に埋れて

岡本 かの子

Lisez 智慧に埋れて (ちえにうもれて) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 106 caractères · 5 écrans

Aozora Bunko

由子はどうもこの老翁とあまり深く論ずるパッションは持ち合せないらしいので直ちに頭の宜い女学者的淑女の本来に帰って至極のどけき茶菓のもてなしにうつります。由子は私の家をまるで自分の家の様に自由にふるまいます。しかしずべらに宿り込むようなことはしません。狎れない処はどこまでも彼女の頭の好いすがすがしさです。

私は以上の友のどの思想にも趣味にもかぶれて居ません。私は以上の友達を如何に愛して居るにしても私は私です。私の生活は私の生活です。私の運命は私だけのものです。私はアナトオルフランスに親しみマルクスを認識し釈尊乃至老荘を敬愛しつつしかももともとは十八の頭の好い孤独な生活者でありあくまでも童衣を着た一人のピューリタンの少女に過ぎ無いのです。そして因縁の所生によって簡素な生活を生涯守られるだけの遺産をうけた一処女、身を幸とも不幸とも判断しかねて居るのです。只生来の厳粛感が自分の将来に襲い来るべきグロテスクな性慾的危機を予想する時、いっそ今のうち死んで仕舞った方が好いと時々考えるのです。

…………箱根路を我越え来れば伊豆の海や沖の小島に浪の寄る見ゆ…………これは源実朝の詠んだ金槐集中の歌ですが、私は私の洋館の窓をあけたてする時などによくこの歌をうたって居ます。