Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あらしのなか

暴風雨の中

山本 周五郎

Lisez 暴風雨の中 (あらしのなか) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 339 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

男は浮き腰になった、外へでもとびだしそうな恰好をみせたが、すぐに坐り直して、きせるを逆に持った。

「おめえは松島町で人をあやめた」男は三之助を見て云った、「日本橋松島町の家主、油屋仁兵衛を短刀でやった、それに間違えはねえだろうな」

「此処で口書きでも取ろうってのか」

「おれの云うことに返答をしろ、それから口のききようを改めるんだ」男は云った、「そんな口のききようをすると痛いめをみせるぞ」

三之助は黙った。

「おめえの気の毒な身の上はたいがいわかってる」男は云った、調子は厳しいが思い遣りのあるような口ぶりであった、「おやじは佃島の漁師で政吉、おふくろはいちといったな、おめえを入れて子供が四人、千吉、よね、伊三郎、おめえはよねの下で二男坊の筈だ」

「おらあ勘当されたんだ」三之助は眼をつむった、「十五の年に勘当されて、人別もぬかれたんだ、おれにゃあきょうだいなんかありやしねえ」

「おめえがぐれたわけも知ってるぜ」

佐平という男は云った。三之助の家はごく貧しかった。父の政吉は愚直で、酒も煙草ものまず、人に騙されたり利用されたりするばかりだった。おれは貧乏籤をひくためにこの世へ生れてきたようなものだ、いつもそう云っていたが、長男の千吉が十一のとき、漁に出て疾風に遭って死んだ。