Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つきとてぶくろ

月と手袋

江戸川 乱歩

Lisez 月と手袋 (つきとてぶくろ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 541 caractères · 80 écrans

Aozora Bunko

できるなら、あけみを遠ざけて、股野だけと話したかった。

二階の窓あかりを見ると、急に帰りたくなったが、そしてそのとき帰りさえすれば、あんなことは起らなかったのであろうが、克彦は、折角決心して出かけて来たのだから、一寸のばしにしても仕方がない、ともかく話をつけてしまおうと考えた。そして、薄暗いポーチに立って、ベルを押した。

中からドアをあけたのは、いつもの女中ではなくて、あけみだった。派手な格子縞のスカートに、燃えるような緑色のセーターを着ていた。小柄で、すんなりしていて、三十歳にしては三つ四つも若く見えた。彼女の魅力の短い上唇を、ニッと曲げて微笑したが、目に不安の色がただよっていた。

「姉やはどうしたの?」

「あなたが食事に来ないとわかったものだから、夕方から泊りがけで、うちへ帰らせたの。今夜は二人きりよ」

「彼は二階? いよいよあのことを切り出すつもりかな」

「わからない。でも、正直に云っちゃうほうがいいわ。そして、かたをつけるのよ」

「ウン、僕もそう思う」

せまいホールにはいると、階段の上に股野がたちはだかって、こちらを見おろしていた。

「やあ、おそくなって」