Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きそがわ
木曾川
北原 白秋
Lisez 木曾川 (きそがわ) de 北原 白秋 (きたはらはくしゅう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 659 caractères · 52 écrans
深沈としたその碧潭。
私たちはまた車上の人となる。藍鼠と燻銀との曇天、丘と桑畑、台が高いので、川の所在は右手にそれぞと思うばかりで、対岸の峰々や、北国風の人家を透かし透かし、どこまでもと自動車は躍ってゆく。土の香がする。草のかおりがする。雨と空気と新鮮な嵐と、山蔭は咽ぶばかりの松脂のにおいである。駛る、駛る、新世界の大きな昆虫。
「見えた。あの鉄橋からまわりますか」
「よし」
そこでハンドルを右へきゅっと廻す。囂囂囂とそのつり橋を渡ってまた右折する。兼山の宿である。と風光はすばらしく一変する。爽快爽快、今来た峡谷の上の高台が向うになる。薄黄の傾斜面と緑の平面、平面、平面、鉾杉の層、竹藪、人家思いきり濃く、また淡く霞む畳峰連山、雨の木曾川はその此方の田や畑や樹林や板屋根の間から、突として開けたり離れたりする。岩礁が見える。船が見える。あ、檜だ、瓦だ、絵看板だ。
遥にまた煙突、煙突、煙突である。あの黒い煙はと聞くと、あれは太田だという。よくも上まで来たものだと思う。いや、かれこれ二時間は走っていますと運転手が笑う。こうして兼山から伏見、伏見から広見、今渡とかっ飛ばすのである。