Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みらいのてんさい
未来の天才
豊島 与志雄
Lisez 未来の天才 (みらいのてんさい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 630 caractères · 38 écrans
私はその手紙を巻き納めて、それから改めて五百円を前に据えて、さて、考え初めた。全く自分の自由に使っていいとなると、一寸適当な使途が見当らなかった。きりつめた生活をしてはいたが、別に借金というものもないし、特に必要な物とてもなかった。思いあぐんでぼんやり室の中を見廻すと、卓子、椅子、机、書架、絵具箱、カンヴァス、額縁、凡てが貧しいなりにも満ち足っていた。足ることを知る者は富者なり、という所へもってきて、五七の桐を漉き込んだ五十枚だから、猶更あり難いような気がした。私は仕方なしに――嬉しいから仕方なしに、両膝を立てそれを両手に抱いて、臀の肉の上にゆらりゆらりと身体を揺り初めた。眼はいつしか天井を仰いでいた。あの天井から蜘蛛の子がすーっと降りて来たのだ! 私は微笑みにくずれかかる口元をそのままつぼめて、口笛を吹いていた。愉快だった。じっとしておれなかった。
私は立ち上りかけたが、また腰を下した。頭の中に一つの製作が形を取り初めた。壁に掛ってる自画像やダ・ヴィンチのモナ・リザが起縁となって、胸底に秘められてる愛が具体化されかけてるのであった。逆光線のうちに黄色っぽく浮出してる自画像に、私は、貧しい生活を苦闘しつつある青年の、悲痛な意志や希望やを表情させたつもりでいたのだが、今になってよく眺めると、その表情も単なる