Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りりょう
李陵・山月記・弟子・名人伝
Lisez 李陵・山月記・弟子・名人伝 (りりょう) de Nakajima Atsushi (中島 敦) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 65 013 caractères · 129 écrans
外からの音も聞こえず、魚類もまれにしか来ない所で、悟浄もしかたなしに、坐忘先生の前に坐って眼を瞑ってみたら、何かジーンと耳が遠くなりそうな感じだった。
悟浄が来てから四日めに先生は眼を開いた。すぐ目の前で悟浄があわてて立上がり、礼拝をするのを、見るでもなく見ぬでもなく、ただ二、三度瞬きをした。しばらく無言の対坐を続けたのち悟浄は恐る恐る口をきいた。「先生。さっそくでぶしつけでございますが、一つお伺いいたします。いったい『我』とはなんでございましょうか?」「咄! 秦時の※轢鑚!」という烈しい声とともに、悟浄の頭はたちまち一棒を喰った。渠はよろめいたが、また座に直り、しばらくして、今度は十分に警戒しながら、先刻の問いを繰返した。今度は棒が下りて来なかった。厚い唇を開き、顔も身体もどこも絶対に動かさずに、坐忘先生が、夢の中でのような言葉で答えた。「長く食を得ぬときに空腹を覚えるものがじゃ。冬になって寒さを感ずるものが※(「にんべん+爾」、第3水準1-14-45)じゃ。」さて、それで厚い唇を閉じ、しばらく悟浄のほうを見ていたが、やがて眼を閉じた。そうして、五十日間それを開かなかった。