Classiques japonais avec furigana
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まつのみさおびじんのいきうめ
松の操美人の生埋
宇田川 文海
Lisez 松の操美人の生埋 (まつのみさおびじんのいきうめ) de 宇田川 文海 (うだがわぶんかい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 034 caractères · 7 écrans
其の翌十八年の夏酷暑と悪病を避けて有馬の温泉に浴す。端なく会人無々君と邂逅して宿を倶にす。君は真宗の僧侶にして、学識両ら秀で尤も説教に長ぜりと。君一日浴後居士の室に至る、茶を煮て共に世事を談ず。君広長舌を掉い無碍弁を恣にして頻に居士の耳を駭かす。談偶文章と演説の利益に及ぶ。君破顔微笑して曰く、文章の利は百世の後に伝わり、千里の外に及ぶ、演説の益は一席の内に止まり数人の間に限れり、故に利益の広狭より言えば、素より同日の論に非ず、然れども其の人の感情を動かすの深浅より言えば文章遠く演説に及ばず、且近来速記術世に行われ演説をそのまゝ筆に上して世に伝うの便を得たり、親しく耳に聞くと、隔りて目に視ると、感情稍薄きに似たれども尚其の人に対し其の声を聴くの趣を存して尋常文章の人を動すに優れり、余は元来言文一致を唱うる者なり、曾て新井貝原両先輩が易読の文を綴りて有益の書を著わすを見て常に其の識見の高きを感ずれども、然れども尚其の筆を下すや文に近く語に遠きを恨みとなす、維新以降文章頗る体裁を改め、新聞雑誌の世に行わるゝや、文明の魁首社会の先進たる福澤福地両先生高見卓識常に文を草する