Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ますおとし

枡落し

山本 周五郎

Lisez 枡落し (ますおとし) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 765 caractères · 67 écrans

Aozora Bunko

佐野屋という安旅籠はすぐにわかった。幸助という男もいて、猿屋町から来たと云うと、すぐにあらわれた。貧相な躯に、眼のきょときょとした、物欲しげな顔つきで、芳造を見るとどきっとしたように口をあいた。

「おまえさんが猿屋町の」

「いずれは婿になる男です、名めえは芳造、おまえさんが幸助と仰しゃる人ですね」

幸助は口をもぐもぐさせて云った、「ちょっと外へ出ましょう」

「あっしは大蛇の辰っていう人に会いたいんだ」と芳造は云った、「小判で三両、ここに持って来ました、辰っていう人はいるんでしょうね」

「それがね」と幸助は口ごもった、「それがその、ここにゃあいねえんでね」

「じゃあどこにいるんです」

「ゆうべまではいたんだが、ゆうべおそく賭場から使いがあって、でかけたまんままだ帰らねえというわけで」

「じゃあまた出直して来ます」

「ちょっ、ちょっと」幸助は慌て、そこにある草履を突っかけて土間へおりた、「まあそう云わねえで、辰あにいがここへ帰って来ることは間違いはねえんだから、ちょっとそこまで出て話すことにしよう」

芳造がなにか云おうとするのを、手まねで遮りながら、押し出すように外へ出、水天宮のほうへいった。