Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りゅうえいひろくかつえぐら
柳営秘録かつえ蔵
国枝 史郎
Lisez 柳営秘録かつえ蔵 (りゅうえいひろくかつえぐら) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 933 caractères · 27 écrans
お杉は脇息にもたれたまま、さも美しく闇の中で死んだ。
それは力石三之丞が、鬼小僧と邂逅した同じ夜の、同じ時刻のことであった。
10
一方吾妻橋橋畔の、三之丞と鬼小僧とはどうしたろう?
三之丞は地の上へ坐っていた。
鬼小僧は上から覗き込んでいた。
と、突然三之丞が云った。
「小僧、俺は腹を切る。情けがあったら介錯しろ」
抜身をキリキリと袖で捲いた。
「おっと待ってくれお侍さん。一体どうしたというんですえ? 腹を切るにも及ぶめえ」
鬼小僧は周章て押し止めた。
「辻斬りしたのが悪かったと、懺悔なさるお意なら、頭を丸めて法衣を着、高野山へお上りなさいませ」
「懺悔と?」
侍は頬で笑った。
「懺悔するような俺ではない。俺は一心を貫くのだ! お杉様が今死んだ。その美しい死姿まで、俺にはハッキリ見えている。俺は後を追いかけるのだ」
グイと肌をくつろげた。左の脇腹へプッツリと、刀の先を突込んだ。キリキリキリと引き廻した。
「介錯」と血刀を前へ置いた。
気勢に誘われた鬼小僧、刀を握って飛び上った。
「苦しませるも気の毒だ。それじゃア介錯してやろう。ヤッ」と云った声の下に、侍の首は地に落ちた。