Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かきいろのかみふうせん

柿色の紙風船

海野 十三

Lisez 柿色の紙風船 (かきいろのかみふうせん) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 032 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

人生の名誉を賭けたあのラジウムを、そんなに簡単に失ってなるものかと歯ぎしり噛んだ。

「一体どこで失ったんだろう?」

私はあの日からのちのことをいろいろと思い綴って見た。いろいろと考えられはしたが、結局しっかりしたことは判らない。しかし一旦糊で紙の間に入れたラジウムが、こんな短期に脱け落ちるのはおかしい。といって風船が違ったわけでもない。この柿色の風船のように、半端な色花びらを接ぎ合わせたものは外にない筈だ。

私は同じことを、いくたびも繰り返し繰り返し考え直した。考え直しているうちに、ふと気がついたことがあった!

「おお、あれかも知れない」

私はムクリと起き上った。

「いや、あれに違いないぞ。うん、そうだ」

私の全身には、俄かに血潮の流れが早くなった。手足がビリビリと慄えてきた。

「よォし、畜生……」

私は戸外の暗闇に走り出でた。

さてそれから後のことを、どう皆さんに伝えたらいいだろうか。私はすこし語りつかれたので、結末を簡単に述べようと思う。その結末というのは、恐らく、もう皆さんの目にハッキリと映っていることと思う。そういって判らなければ、もっと明瞭に云おう。