Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えいぞうのし

栄蔵の死

宮本 百合子

Lisez 栄蔵の死 (えいぞうのし) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 38 295 caractères · 77 écrans

Aozora Bunko

お医者の云った事は、お君に解らなかったけれ共、十中の九までは、長持ちのしない、骨盤結核になって、それも、もう大分手おくれになり気味であった。

流石のお金も、びっくりして、物が入る入ると云いながら翌日病院に入れて仕舞った。

いよいよ手術を受ける時になって、病気について、何の智識もないお君は、非常に恐れて、熱はぐんぐん昇って行きながら、頭は妙にはっきりして、今までぼんやりして居た四辺の様子や何かが、はっきりと眼にうつった。

胸元から大きな丸いものがこみ上げて来る様な臭いの眠り薬、恐しげに光る沢山の刃物、手術のすみきらない内に、自然と眠りが覚めかかってうめいた太い男の声、それから又あの手を真赤にして玩具をいじる様に、人間の内実をいじって居た髭むじゃな医者の顔、あれこれと、自分が無我夢中になる前五六分の間に見た事聞いた事が、それより前にあった百の事、千の事よりもはっきりと頭に残って、夜中だの、熱のある時は、よく、此の恐ろしい様子にうなされて居た。半月ほど、病院のどっちを向いても灰色の淋しい中に暮して、漸々、畳の上に寝る様になってからまだ幾日も立っては居なかった。