Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くわのきものがたり

桑の木物語

山本 周五郎

Lisez 桑の木物語 (くわのきものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 39 815 caractères · 79 écrans

Aozora Bunko

そこが屋敷境で、高い築地塀の向うは黒いような森の茂みだった。

――若君はおない年の八歳だった。蒼白いような痩せた躯で、眉毛と眼の間のはなれた、ぼうっとした顔つきだった。動作ものろくさしているし、舌っ足らずな口をきくし、見ているとじれったくなるばかりだった。

――こんなのがばか殿になるんだな。

悠二郎はこう思ったので、お相手などまじめにする気持がなく、たいてい独りでとびまわっていた。花田先生の云ったとおり、選まれたのは七人で、むろん新泉もその一人だった。――かれらは朝八時にあがり、午後三時にさがる。朝のうち講話と素読と習字をし、午後は剣術の型の稽古があって、そのほかは庭で遊ぶという日課だった。そして七日にいちどずつ休みがあった。

悠二郎は素読も習字もいやだったが、講話と剣術は好きだった。講話というのは古今の名将勇士とか合戦物語などで、浅草寺の境内でやっていた辻講釈に似ていた。それで、ことによると知り合かもしれないと思って、「先生は頓珍軒鈍斎ってひと知ってますか」ためしにそうきいてみた。すると、それはどこのなに者だと聞くから、浅草の辻講釈だと云ったら、先生は怒って講話を途中でよしてしまった。