Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かんおけのはなよめ

棺桶の花嫁

海野 十三

Lisez 棺桶の花嫁 (かんおけのはなよめ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 845 caractères · 86 écrans

Aozora Bunko

「どう、あなたァ、――」

男は、女の束髪すがたを、目をまるくしてみつめていた。

「あんたってば、無口なひとネ」

「いや、感きわまって、声が出ない」

男は両手を拡げた。

女はその手を払うようにして、男の肩を押した。

「さあ連れてってよ、早く早く」

若い二人は、身体を重ねあわせるようにして、狭い階段をトントンと下に下りていった。

そこには蚊取り線香を手にした下のお内儀がたっていた。

「おばさん、ちょっと出掛けます」

「あーら、松島さん、お出掛け? まあお揃いで――。いいわねえ」

「おばさん、留守をお願いしてよ」

「あーら、房子さん。オヤ、どこの奥さんかと見違えちゃったわ。さあ、こっちの明るいところへ来て、このおばさんによく見せて下さいな」

「まあ恥かしい。――だって、あたし駄目なのよ、ちっとも似合わなくて。ホホホホ」

房子は顔を真赤にして、下のお内儀の前を駈けぬけるように玄関へとびだしていった。お内儀の目には、房子の夏帯の赤いいろが、いつまでも残っていた。そして誰にいうともなく、

「ほんとに女の子って、化け物だわネ」

といった。

松島準一と房子とは、京橋で下りた。そこには大きいビルディングがあって、そこの二階ではキャフェ・テリアといって自分で西洋料理をアルミニュームの盆の上に載せてはこぶというセルフ・サーヴィスの食堂があった