Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かんおけのはなよめ
棺桶の花嫁
海野 十三
Lisez 棺桶の花嫁 (かんおけのはなよめ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 845 caractères · 86 écrans
――さあ起きなさいよォ」
お千はすっかり機嫌を直していた。
配給品が時の氏神であった。二人はそれを並べて幾度も手にとりあげては、顔を見合わせて笑った。
「昨日のことは――あのことは、あんた忘れてネ。あたし、どうかしていたのよ。いくらでも謝るわ」
お千はいい潮時を外さず、愧ずかしそうに素直に謝った。
「うん、なァに、なんでもないさ。――」
杜はいままでに一度も懸けたことのない優しい言葉を云った。その優しい言葉は、お千に対してよりも、自分自身の侘しい心を打った。彼はなんだか熱いものが眼の奥から湧いてくるのを、グッと嚥みこんだ。
8
昨日に続いて、杜とお千とは、また連れだって拾い物に出かけた。
ちょっとした煮物の出来る竈も出来たし、ミカン函を改造して机兼チャブ台も作った。裏手には、お千のために、往来からは見えないように眼かくしをした軽便厠をこしらえた。入口には、杜の名をボール函の真に書いて表札のつもりで貼り出した。名前の横には、彼の勤め先である商会の名も入れて置くことを忘れなかった。
こうして、どうやら恰好のついた一家が出来上った。拾い集めて来た材料は、むしろ余ったくらいであった。