Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やしがに

椰子蟹

宮原 晃一郎

Lisez 椰子蟹 (やしがに) de 宮原 晃一郎 (みやはらこういちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 116 caractères · 9 écrans

Aozora Bunko

て行きました。そして、とうとうこれでもうおしまいというところまで来たとき、土人の手が用心しいしい、少しずつ自分の体に迫ってきました。もう絶体絶命です。蟹は恐ろしく泡を吹きながら、その大きな鋏を構えて、手を出したら最後、その指を椰子の実のようにチョン切ってやるぞと待っていました。そうなると人間の方でも、うっかり手が出せません。何やら大きな声で、下の方へ申しますと、洋服を着た男が、

「じゃこの網を君もって、のぼってくれ。」ともう一人の土人に言いつけました。そこでその土人は網をもって後から登ってまいりました。もう蟹は遁れることはできません。網を一打ち、バッサリとやられればそれでおしまいです。蟹はその時下を見ました。高い高い椰子の樹のてっぺんから見下したのは、深い深い底も知れない海、怪物が住まっている海でした。蟹はその中に自分も住まっているのですが、こう高いところから見下すと、不思議にぞっとする程気味が悪いのでした。で、そっちを見ないようにして、上の土人が網を受取っている暇を狙って、鋏をあげ、えらい勢でそいつを目がけて飛びついて行きました。べつにはさんでやろうというのではなく、ただ脅かしておいて、そのひまに遁げるつもりだったのです。