Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つばきのはなのあか

椿の花の赤

豊島 与志雄

Lisez 椿の花の赤 (つばきのはなのあか) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 755 caractères · 22 écrans

Aozora Bunko

その朝も彼は早く起き出して、どんよりした曇り空ではあったが、空地に出て行き、暫く歩いてるらしかったが、俄に駆け戻ってきて、女中のキヨに手真似で変事を知らせ、正枝の室の扉を打ち叩いて叫んだ。

「大変です。早く起きて下さい。赤ん坊の死体がころがっています。」

うとうとしていた正枝は、赤ん坊の死体ときいてびっくりし、寝間着の上に羽織をひっかけて飛びだしてきた。李が先に立って空地の方へ行くのに、正枝とキヨがすぐ後に随い、他に止宿人の男女二人も声をききつけて、おくれてついて来た。そして空地の片側、建物よりに椿の木が立並んでるその下蔭のところに、李が指し示すまま、皆の視線は注がれた。そこには雑草が生え、椿の赤い花が落ち散ってるなかに、まっ白な小さな肌がなまなましく見えていた。曇り日の早朝の仄白い明るみが、その白い肌を不気味に露出さしていた。李は立止ってじっと眺めていたが、正枝と二人の止宿人とは、ひとかたまりになって、一歩二歩近づいていった。その死体の方へと強い糸で引きずられるようだった。

「なあーんだ……これは……。」

ふと、一人が嘆声めいた声を立てた。覗きこんでみると、死体と見えたのは人形らしかった。