Classiques japonais avec furigana
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やりがたけだいさんかいとざん
槍ヶ岳第三回登山
小島 烏水
Lisez 槍ヶ岳第三回登山 (やりがたけだいさんかいとざん) de 小島 烏水 (こじまうすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 115 caractères · 11 écrans
大石に、突き当って二派に分れ、呟きながら走って行く、大きな削り板のような雪が、継ぎ目から二ツに截り放されたようになって、平行に裂けて口を明けているのもある。
顧れば峡間から東方の霞沢岳連峰の木山には、どす玄い雨雲が、甘藍の大葉を巻いたように冠ぶさって、その尖端が常念一帯の脈まで、包んで来ている、雪の峡流は碧い石や黄な石をひたして、水嵩も多くなって、樺青く雪白い間を走って行くのが、遙かに瞰下されて、先は森林の底に没している。
雪のおもてには枝の折片が刺されていたり、泥土が流れていたりして、いかにもうす汚ない、白馬岳の雪の美しいことは、こんなものでは無いと、高頭君がしきりに説明してくれる。
谷が狭くなって、崖側を行くと、緩いながらも雪の傾斜で辷るから、ミヤマナナカマドの枝を捉えながら上る、前にも増した雪の断裂で、草鞋に踏み蹂った雪片は、山桜の葩弁のように、白く光ってあたりに飛び散る。
奥赤沢の切れ込みへ来ると、雪は庖刀を入れたように并行に断裂して、その切截面の高さは、およそ二丈もあろう、右へ除け左へ避けて、思わずも雪の薄氷の上を行くと、パリパリと氷柱が折れる