Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 145 078 caractères · 285 écrans
――涌谷は人が変った。
仙台で矢崎舎人が密使に来てから、涌谷としばしば書状を交換した。老中への訴訟をもう少し延期してもらいたい、まだその時期ではない、ということを繰り返し説いたが、安芸はまるで受けつけなかった。安芸は堪忍の緒を切っていた。まえにはもっと辛抱づよく、重厚すぎるほど重厚な人だったが、年老いたためだろうか、頑迷といいたいほど訴訟を固執し、ついに幕府老中の許しを得て出府することになった。
――本邸へはいるまえに会えば、まだ説得することはできる。
だが会えなかったらどうするか、このまま安芸が意地をとおし、老中評定にもってゆくとしたら、なにか幕府を牽制する法を講じなければならない。こう思いめぐらしていたとき、後西院ノ上皇という存在に気づいたのであった。上皇と隠居の綱宗とは従兄弟に当る。すなわち、上皇の御生母逢春門院は、櫛笥左中将隆致の女であり、綱宗の生母はその妹の貝姫である。後西院は後水尾天皇の第七皇子で、まだ花町宮といわれていたとき、江戸へ下向され、綱宗も使者をもって御機嫌奉伺をした。宮は明暦二年に即位されて、後西院ととなえられたが、そのときも綱宗は父の忠宗とともに祝儀の使者をさし立てた。