Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 148 519 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

綱宗の顔はすっかり蒼くなり、充血した眼がきらきらと光りだした。彼は盃を持っていることも忘れたとみえ、その手で膝を打ちながら叫んだ。

「しかも誰ひとり抑える者がない、すべて兵部の策略だと知っている者でも、手を束ねて傍観している、ただ黙って、なに一つせずに見ているだけだ」

「おくち返しを致すようですが」

「おまえもだ、甲斐」と綱宗は叫んだ、「おまえもその一人だぞ、原田甲斐」

「原田さま」とはつ女が云った。

甲斐は「大丈夫です」というように、はつ女に頷いた。

「おくち返しを致すようですが」と甲斐は静かに云った、「私にはお言葉の意味がよくわかりません」

「なにがわからない」

「仰せになることのすべてです」と甲斐は云った、「すでに若君が御家督あそばされ、伊達家御安泰となったいま、なんのためにさようなことを仰せられますのか、さような酔余のお言葉から、もし騒動でも起こったらいかがあそばす、せっかく御安泰となった御家に、万一のことがあったらいかがあそばしますか」

「黙れ甲斐、仙台六十万石はおれのものだ」と綱宗は叫んだ、「兵部の陰謀にはまって、このまま一生ひかげの身になるくらいなら、六十万石はいっそ潰れるほうがいい」