Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 148 519 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

と叫びながら、丹三郎のほうへ近よって来た。

丹三郎は刀を青眼に構えたまま、喉いっぱいの声で絶叫した、「お願いです、助勢して下さい、お願いします」

まばらな往来の人たちが立停り、向うで見ていた二人の仲間のうち、一人が屋敷の門の中へとびこんでいった。眼の隅でそれを認めながら、丹三郎はなお叫びつづけた。

「私は伊達陸奥守の家来です、どうか助勢して下さい、これはかどわかしです」

「黙れ小僧」六郎兵衛が詰めよった。

丹三郎は脇へまわりながら叫びつづけた。向うで弥吉も同じことを喚きたてた。

駕籠は走りだした。丹三郎は六郎兵衛を避けながら、絶叫しつつ駕籠の先へ先へとぬけていった。だが、六郎兵衛はすぐに丹三郎を追いつめた。そこは愛宕山の下で、左に男坂の高い石段が見える。丹三郎は溝に架かった一間ばかりの石橋をとび、境内にはいりながら、「弥吉どの」と叫んだ。

「こっちは大丈夫だ、駕籠を追ってくれ」

弥吉の返辞が聞え、六郎兵衛が踏みこんで来た。

丹三郎は頭がかっとなった。踏み込んで来る六郎兵衛の体が、おそろしく巨きく、しかも圧倒的にみえた。斬られる、と丹三郎は思った。

六郎兵衛は彼を睨んだまま、ぐい、ぐいと近よりつつ、間合い二間ほどになると、刀の柄に手をかけた。