Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 148 519 caractères · 296 écrans
甲斐は机に肱で凭れた。
「いよいよ、御苦労が始まるのですか」と惣左衛門が云った。
「なに、さしたることはない、さしたることはないだろう、あまり気を病まぬがいい」
「私は、お側に仕えるのが、辛うございます」と惣左衛門が云った、「隼人をお召しになって、私にお国もと勤めを願えませんでしょうか」
「おまえはそうはしないだろう」
「私はお側にいるのが耐えられそうもございません」
「おまえにはそうはできない」と甲斐が云った、「たとえおれがそう云っても、おまえは国もとへは帰らないだろう。また国もとには国もとで、やがて辛いことが起こる、隼人にも苦労をかけなければならない、惣左衛門は江戸で勤めてくれ、惣左は江戸では欠くことのできない人間だ」
「私は、ただ、――」と惣左衛門は云いかけて、あとは云わずに頭を垂れた。
「湯島へゆく」と甲斐が云った、「供は喜兵衛に舎人、それから久馬だ」
「成瀬でございますか」
「うん、久馬だ」と甲斐が云った、「たぶん泊ることになるだろう、届けておいてくれ」
惣左衛門は消えるように「は」と答えた。
あやめもわかず
湯島の家へゆくと、甲斐は寝間の支度をさせて横になった。