Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 148 519 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

周防の来たのは十時すぎであった。おくみの狭い寝間に屏風をまわし、灯をくらくして、火桶を中に二人は坐った。

「風邪をひいてしまった」周防は頭巾をとりながら、こう云って袖で口を押えて咳をした。周防は顔色が悪く、灯がくらいためか、頬がひどくこけたようにみえた。

「どうしてもこの咳が止まらない、夜もよく眠れないのでまいっている」

「私のほうからいってもよかったのに」

「場所がない」と周防が云った、「小石川の小屋場からはなれられないし、小屋場では会う場所がなくなった。どんな隅にも眼と耳が配られているようだ」

甲斐は頷いて云った、「話しを聞こう」

「吉岡(奥山大学)から両後見に密訴があった」と周防が云った。

甲斐はうんと頷いた、「そうらしいな」

「知っているのか」

「つい先日、耳にはいった」

「内容も知っているのか」

「まず聞こう」

「私の弾劾だ」と周防が云った、「いろいろと無根の罪状を並べたうえ、一日も早く処罰するよう、そして国の仕置を自分一人に任せてくれるように、さもなければ辞職すると書いてあったそうだ」

「二度か、三度目だ」と甲斐が云った。

周防は充血した眼で、訝しげに甲斐を見た。