Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 148 519 caractères · 296 écrans

Aozora Bunko

「そうだ」と甲斐は頷いた、「宇乃はそれを見ることができる、もう少し経ったらね」

「虎之助が、八つになれば、ですわね」

「そうだ、虎之助が八つになればね」

そして甲斐は「丹三郎」と呼んだ。すぐに返辞が聞え、次の間から塩沢丹三郎が出て来て、廊下へ膝をついた。甲斐は「乗物」と云った。丹三郎は玄関のほうへ去った。

「もういちど坊をみよう」

甲斐は障子をあけた。宇乃は彼のあとから部屋へはいり障子をしめた。甲斐は虎之助の枕元に坐った。虎之助の頬は赤く、呼吸は短く、不規則であった。眠りが浅いのか、頬や瞼が絶えず痙攣し、なにかものでも云おうとするように、ときどき唇も動いた。

「下痢は止まったのか」と甲斐が低い声で云った。

宇乃は「いいえ」と答えた。

「医者を変えるように云おう」

「玄庵さまはよくして下さいますわ」

「医者を変えてみよう」と甲斐は云った、「惣左衛門にそう云っておく、丹三郎もこれまでどおり此処へよこすが、用があったら待っていないで、すぐに屋敷へ使いをやるがいい」

宇乃は「はい」と頷いた。甲斐は振向いて宇乃を見た。

「宇乃は大丈夫だな」

「はい、大丈夫でございます」

甲斐はそっと立ちあがり、もういちど虎之助の寝顔を見てから「送るには及ばない、そこにおいで」