Classiques japonais avec furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lisez 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 247 361 caractères · 483 écrans
失礼ですが、奥様の方のお間違いじゃ、ございませんでしょうか?」
「ロヴィーサや、お前が家へ来てからちょうど、二年とちょっとになります。お前がウソ出鱈目をいうような人でないことは、わたしがようく知っている。しかし、今お前のお言いのことだけは、何かお前の思い違いじゃないのかえ? もう一度考えてごらん!」
と未亡人が、ゆっくりロヴィーサの方に向き直った。
「お前が殿下にお眼にかかった七時二、三十分頃といえば、ちょうどわたしにも覚えがある。食堂の開くスグ前で、……わたしは殿下に腕をお貸しして、廊下を食堂へと御案内申し上げていた時刻ですよ。そしてその前には、わたしはヨアンネスと控えの間裏で話をしていましたが、殿下はあの棕櫚の置いてあるあたりで、外相様や米国大使様方とお話をしていらっしゃった。どこに殿下が、二階へなぞお上りになる暇があるでしょう……何かお前の勘違いじゃありませんかえ?」
「大奥様、わたくし確かに殿下と、擦れ違いましたんです。決して、間違いではございませんです、紅い筋の入った、緑色の洋袴をお召しになりまして」
「お靴は、長靴でしたかえ?」
「いいえ、普通のお靴を……金色の拍車の付いた、普通のお靴をお召しになりまして……そしてお胸には……ハッキリ覚えておりませんけれど、銀色の勲章飾りをお着けになりまして……」