Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 724 caractères · 355 écrans

Aozora Bunko

」

「そうでしょうか。」

「あとさきを考える人には、とても出来ないことです。」

朝倉先生の眼には、もう微笑が浮かんでいた。

「しかし、あとさきを考えない点では、先生の方が私よりずっとうわ手ですよ。私には、まだ親もあり子もありますので、免職になるような乱暴なことは、めったにいたしませんからね。」

二人は大きく笑った。

「ほんとうですわ。」

と、朝倉夫人も、笑い声を立てた。

大沢は、それまであぐらをくんだ股に両手をつっぱって、上体を乗り出すようにしていたが、だしぬけにどなるような声で言った。

「きょうはきっと、すばらしい白鳥会が出来ます。」

恭一はうなだれてふかい息をしており、俊三はじっと部屋のすみを見つめていた。ただお芳の顔だけが相変らず笑くぼを見せたまま、無表情だった。

次郎が二階からおりて来た。今度は大っぴらに階段からおりて来たのだった。彼はその場の光景を解しかねたように立ったまま俊亮の顔を見た。

「もういいのか。」

俊亮の方からたずねた。

「ええ、いいんです。」

次郎は朝倉先生の方を見ながら答えた。

「先生も、もうびっくりはなさらないよ。」

朝倉先生の微笑をふくんだ眼が、まだつっ立っている次郎を見あげた。