Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 724 caractères · 355 écrans

Aozora Bunko

送別式に何かの波瀾を予想し、興味本位でそれを期待していた生徒たちも決して少くはなかった。彼らは、見送りのために校庭に集合しながら、くちぐちに言った。

「つまんなかったなあ。……朝倉先生、もっと何か言うかと思っていたよ。」

「僕は、先生の最後の雄弁をきくつもりで張りきっていたんだが、がっかりしたね。」

「何んだか、ばかにされたような気がするね。」

「うむ。しかし、校長はほっとしたんだろう。」

「校長を安心させて、僕たちを失望させるって法はないよ。」

「朝倉先生も今日はどうかしていたね。」

「妥協したんじゃないかな。」

「そうかも知れん。でなけりゃあ、もう少しぐらい何か言うはずだよ。」

「しかし、辞職してしまってから妥協したって、何にもならんじゃないか。」

「これからさきのことを考えたんだよ、きっと。」

「ふうん、そうかもしれんね。」

「このごろは、一度憲兵ににらまれた人は、よほどおとなしくしないと、日本国中どこに行ってもにらまれるそうだからね。」

「そんなこと、誰にきいたんだい。」

「曾根少佐が言っていたよ。」

「なあんだ、やっぱり蟇の言ったことか。」

「あいつ誰にでもそんなこと言うんだね。