Classiques japonais avec furigana
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Lisez 武蔵野 (わすれえぬひとびと) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 94 018 caractères · 192 écrans
とウォーズウォルスが言いしを真とすればわが佐伯も実にその通りである。
往々雨の丘より丘に移るに当たりて、あるいは近くあるいは遠く、あるいは幽くあるいは明らかに、
というもまた全く同じである、もしそれ雲霧を説いて
あるいは黙然遊動して谷より谷に移るもの、往々にして動かざる自然を動かし、変わらざる景色を変え、塊然たる物象を化して夢となし、幻となし、霊となし、怪となし、
というに至っては水多く山多き佐伯また実にそうである、しかししいてわが佐伯をウォーズウォルスの湖国と対照する必要はない。手帳と鉛筆とを携えて散歩に出掛けたスコットをばあざけりしウォーズウォルスは、決して写実的に自然を観てその詩中に湖国の地誌と山川草木を説いたのではなく、ただ自然その物の表象変化を観てその真髄の美感を詠じたのであるから、もしこの詩人の詩文を引いて対照すれば、わが日本国中数えきれぬほどの同風光を見いだすだろう。
ただ一言する、『自分が真にウォーズウォルスを読んだは佐伯におる時で、自分がもっとも深く自然に動かされたのは佐伯においてウォーズウォルスを読んだ時である』ということを。
爾来数年の間自分は孤独、畏懼、苦悩、悲哀のかずかずを尽くした、自分は決して幸福な人ではなかった、自分の生活は決して平坦ではなかった。