Classiques japonais avec furigana
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Lisez 武蔵野 (わすれえぬひとびと) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 94 018 caractères · 192 écrans
僕は、『叔父さん叔父さん』と肩を揺さぶったがなかなか起きない。頭の髪を握ってぐいぐい引っぱってやっと起こした。『この児はひどい事をする』と言いながら大あくびをして、
『サアサア! 一番槍の功名を拙者が仕る、進軍だ進軍だ』とわめいて真っ先に飛び出した。僕もすぐその後に続いた。あだかも従卒のように。
爪先あがりの小径を斜めに、山の尾を横ぎって登ると、登りつめたところがつの字崎の背の一部になっていて左右が海である、それよりこの小径が二つに分かれて一は崎の背を通してその極端に至り一は山のむこうに下りてなの字浦に出る。この三派の路の集まったところに一本の松が立っている。一同はこの松の下に休息して、なの字浦の方から来るはずになっていた猟師の一組を待ち合わせていた。
朝日が日向灘から昇ってつの字崎の半面は紅霞につつまれた。茫々たる海の極は遠く太平洋の水と連なりて水平線上は雲一つ見えない、また四国地が波の上に鮮やかに見える。すべての眺望が高遠、壮大で、かつ優美である。
一同は寒気を防ぐために盛んに焼火をして猟師を待っているとしばらくしてなの字浦の方からたくましい猟犬が十頭ばかり現われてその後に引き続いて六人の猟師が異様な衣裳で登って来る、これこそほんとの山賊らしかった。