Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わすれえぬひとびと

武蔵野

国木田 独歩

Lisez 武蔵野 (わすれえぬひとびと) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 94 018 caractères · 192 écrans

Aozora Bunko

治子はおりおり目にハンケチをあてて言葉なし。青年は窮みなき空高くながめ、胸さくるばかりの悲哀をおさえて、ひそめし声に力を入れ、『必ず手紙を送りたまえ、今こそわが望みは君が心なれ。』

慷慨に堪えざるもののごとく、『君を力にてわが望みは必ず遂げん。』熱き涙一滴、青年が頬をつたいしも乙女は知らず。ハンケチを口にくわえて歯をくいしばりぬ。しばし二人は言葉なく立てり。汽笛高く響きし時、青年は急ぎ乙女の手を堅く握り、言わんとして言うあたわず、乙女がわずかに『御身を大切に』と声もきれぎれに言うや『君こそ、君こそ、必ず心たしかに忍びたまえ、手紙を忘れたもうな。必ず……。』

青年はその夜、十時ごろ茅屋に帰りぬ。筆を走らして、おりおり嘆息つきつつ、

『われ君を思い断たんともがきしはげに愚かの至りなりき。われ君を思うこといよいよ深くしてわれますます自ら欺かんと企てぬ。思い断ち得てしかして得るところは何ぞ、われにも君にも永くいやし難き心の傷なるべし。しかしてわがいわゆる天職なるもの果たして全く遂げらるべきや。ああ愚かなる。げにわが血は荒れて事業事業と叫ぶ声のみぞいたずらに高く、その声の大なるに自ら欺かれてわれに限りなき力ありと思いき。