Classiques japonais avec furigana
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わすれえぬひとびと
武蔵野
国木田 独歩
Lisez 武蔵野 (わすれえぬひとびと) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 94 018 caractères · 192 écrans
儀式はこれにて終わり倶楽部の血はこれより沸かんとす。この時いずこともなく遠雷のとどろくごとき音す、人々顔と顔見合わす隙もなく俄然として家振るい、童子部屋の方にて積み重ねし皿の類の床に落ちし響きすさまじく聞こえぬ。
地震ぞと叫ぶ声室の一隅より起こるや江川と呼ぶ少年真っ先に闥を排して駆けいでぬ。壁の落つる音ものすごく玉突き場の方にて起これり。ためらいいし人々一斉に駆けいでたり。室に残りしは二郎とわれと岡村のみ、岡村はわが手を堅く握りて立ち二郎は卓のかなたに静かに椅子に倚れり。この時十蔵室の入り口に立ちて、君らは早く逃げたまわずやというその声、その挙動、その顔色、自己は少しも恐れぬようなり。この時振動の力さらに加わりてこの室の壁眼前に崩れ落つる勢いすさまじく岡村と余とは宮本宮本と呼び立てつつ戸外に駆けいでたり。十蔵も続いて駆けいでしが独り二郎のみは室に残りぬ、われいかでためろうべき、二郎を連れ出さばやと再び内に入らんとするを岡村堅くわが手を握りて放たず、われら口々に宮本宮本と呼び立てぬ。この時十蔵卒然独り内に入りたり。われらみな十蔵二郎を救うことぞと思い、十蔵早くせよと叫び、戸口をきっと見て二人の姿の飛び出ずるをまちぬ。