Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

したいろうそく

死体蝋燭

小酒井 不木

Lisez 死体蝋燭 (したいろうそく) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 917 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

そうしてそのことは、もとより誰も知るはずがなかったのだ。

それから、わしがその良順の肉をどうしたと思う。さすがにわしもたびたび人を殺すのは厭だから、なるべく長い間、彼の肉の焼けるにおいを嗅ぎたいと思ったのだよ。そこでいろいろと考えた結果、ふと妙案を思いついたのだ。それはほかでもない、その肉の脂肪から、蝋燭を作ろうと考えたのだ。蝋燭ならば坊主の身として、朝晩それを仏前で燃やしてにおいをかぎ、誰に怪しまれることもない。それに蝋燭にしておけば、かなり長い間楽しむことができる。こう思って、わしはひそかに手ずから蝋燭を作ったよ。普通の蝋の中へ良順の脂肪をとかしこんで、わしは沢山思いどおりのものを作った。

そうして毎日、わしはもったいなくも、勤行の際に、その蝋燭を燃やして、わしの犬畜生にも劣る慾を満足させておった。時には勤行以外のおりにも、蝋燭を燃やして楽しんだことがある。だが今日まで、仏罰にもあたらず暮らしてきた。思えば恐ろしいことだった。

ところが、法信、わしの作った蝋燭には限りがある。毎日一本ずつ燃やしても一年かかれば三百六十五本なくなる。だんだん蝋燭がなくなってゆくにつれて、わしは言うに言えぬもどかしさを覚えたよ。